レビュー：ＲＥＣ・ＲＥＣ２ - クソザコナメクジ

今回は、ホントはレビューを書くつもりが無かったRECとREC２(というかRECシリーズ)に関してつらつらと思うことを書いていきます。僕だってこんなインターネットデブリみたいな記事を撒き散らしたくなかったんですけど、苛立つ気持ちが抑えられなかったんですよ(予防線)

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はじめに

レビューを書くつもりが無かったという理由は、RECを観た時「めちゃくちゃ面白いという訳では無いんだけど、ゾンビ映画に真摯に向かい合った作品だな～」位の感想しか思い浮かばなくて、これじゃ記事にするにしても尺が短くなり過ぎそうだったんですよ。ところが、REC2を観て「ハァ？(ぶっ殺すぞ)」という気持ちがムラムラ湧き上がって、最新作のREC4の予告を観てもうブチ切れ。怒りに任せて筆を走らせてるに至ったというわけです。

じゃあそもそもRECの”ゾンビ映画に真摯に向かい合った”点は何なのか、僕がブチ切れている点は何なのか、順を追って書いていきます。

RECのあらすじと感想

そもそもRECのシリーズを観ていない人にとっては何の話かわからないので、まーたWikipedia *1からあらすじ引っ張ってきました。

消防士を密着取材するために、通報があった建物に同行して来たレポーター一行。しかし、そこで見たものは未知の感染症に侵され、凶暴化した人々の姿だった。感染拡大を防ぐために建物は封鎖され、彼らは感染者ごと隔離されてしまう。

引用：REC/レック - Wikipedia

取材をしていたレポーターがゾンビ感染の現場にたまたま居合わせて騒動に巻き込まれて行くという、言ってしまえば平々凡々なストーリーラインです。では、どういう点に新規性が見られたかというと、ちょっと前から流行りだしたＰＯＶ方式(Point Of View shot)を取り入れたモキュメンタリー作品であったという点です。ＰＯＶ？モキュメンタリー？ってなるかと思いますけど、要は主観視点でのフェイクドキュメンタリーです。

REC/レック劇場予告篇 - YouTube

きょうびのゾンビ映画はもはやギャグかアクションにしかなってないんですけど、この映画は主観視点が故に感情移入というか、当事者意識というか、作品に没頭するような作りになっていて緊張感が段違いです。「この中で誰が死ぬかな～？(ﾍﾗﾍﾗ)」とこちらが安全圏に逃げて観賞する事を許さない徹底した恐怖表現です。舞台は狭いアパートメントなんですけど、よくこの小さなハコ一杯にギミックを詰め込んだなと感服しました。不要なシーンを省いて、ミクロな視点で進行するストーリーの現実味を削がなかった、誠実にホラーを追求した点を僕は大きく評価しています。

REC2について

じゃあREC2はどうなのかというと、まずあらすじから。

前作のエンディング直後、謎の病原菌によって汚染され、完全隔離されたアパートへ警察の特殊部隊と医師が突入する。そして、アパートの中で病原菌の正体は悪魔の呪いであるという驚愕の真実を知ることとなる。

引用：REC/レック2 - Wikipedia

あ、RECのゾンビ化の話を書いていなかった。RECで人々は未知の感染症に冒されてゾンビと成り果てていくわけですが、唾液や血液から感染とか感染性酵素とか作中で言及されていました。しかし、今作は上のあらすじの通り、ウイルスではなく”悪魔の呪い”がゾンビ化の原因なのだと、大きく舵を切ってオカルトへと方向転換をさせました。

…は？

しかも、これ初めの数分でこの事実がサラッと明かされるんですよ。こんなもん困惑必至でしょ。で、感染者の血に十字架を近づけると発火するので、これで見分けれるぜ～とかいう展開に。

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はぁ？？(憤怒)

しかも、感染者を十字架近づけて拷問しだしたり。

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あのさぁ…この作品の良さはＰＯＶの手法とそれに最適化されたストーリー、つまり平凡でもリアル感を損なわせない話の流れで緊張感を持続させ続けてる所であって、なんでこんなゴミみたいな話をぶち込んで自ら作品をぶっ壊すんだよ。いい加減にしろ！！

この監督は、ゾンビ相手に突撃部隊がアサルトライフルをぶっ放し、一方で研究者が感染者に対して十字架を押し付けてるシークエンスを観て何も思わなかったのだろうか。前作にう○こを塗りたくったスカトロプレイな映画です。世間一般ではこれが評価されてるみたいだけど、僕にはアホらしくて最後まで見るのが苦痛でした。

ちなみに、突入する突撃部隊がヘルメットにＣＣＤカメラをセットしていて、ＰＯＶだけど複数の視点が存在する作りになっていたのはなかなか考えたな～とは思いました。ま、ゴミの中から使えるものを漁ったかのような指摘になったんですけど、ホントこれ位しか良い所無かったんで。また攻めたことをやっていた撮影手法だけは評価します。