クソザコナメクジ

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出汁は教養

大学内で提供された『本物のダシを味わうことは教養である』という、日本料理アカデミーなるNPO法人によるイベントに参加をした。出汁や日本食に関する周辺知識を得た後に、京都の有名料亭の一番出汁(と吸い地)を飲み比べできるという豪華な企画で、なかなか有意義な時間を過ごせた。

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*実際参加者は100人越えてた感じがあった。

和食について

和食の基本は、主食がご飯で、またおかずは野菜と魚介類が中心になっている。日本では屠殺技術が発達しておらず、四足の動物を殺しても臭みがひどい。また淡水でそのような肉を煮ると臭みが水に移るため、哺乳類を食べるという風習が形成されなかった。その代わりに発達したのは、乾物・塩蔵物といった保存食で、それらのダシ=うま味を巧みに利用するようになったのだとか。つまり、日本食=出汁文化パラフレーズ出来るという。

という大きな枠組みが自ずと発生。

昆布について

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日本食に用いられている昆布は主に4種類であるらしい。それぞれの特徴としては、

  • 利尻昆布:繊細であるが繊維が硬くて味が出にくい
  • 羅臼昆布:出汁に色が付く
  • 日高昆布:粘り気がある
  • 山出し昆布:ほのかに甘い

基本的に京都の料亭では利尻昆布が使われているそうだ。京都の淡水でじっくりと細やかな旨みを出していくのだとか。

鰹節について

鰹は最近では遠洋漁業で赤道の方にまで足を運び収穫しているらしい。頭を落として、ハラワタを抜き、三枚におろす。おろしたものも、油の多い腹側と少ない背側に分類され、出汁として用いられるのは背側の部分であるとか。初耳だった。

飲み比べ

僕の最初のテーブルは天ぷらで有名な天喜さんの所でした。

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食べログで価格見たけど超高ぇ。使われている昆布の種類は、天ぷらの旨みに負けないような強い味わいのある山出し昆布。これを水漬けにしてから火にかけ、後に追い昆布をするという贅沢なものでした。

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しっかりした甘みとコクのある出汁で、うめぇうめぇとグビグビ飲んでた。ある程度出汁が出たら鰹節をこれでもかと鍋に突っ込み沈めるフェーズへ。

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鰹節だけで食べさせてもらったのだけれども、キッチリ血合いが抜いてあるノイズの少ない味わいで、これを贅沢にぶち込んだ後さっと引き上げ、なるべく絞らないようにして、合わせだしを完成させる。グルタミン酸イノシン酸は相乗効果を持ち、旨みが7-8倍に跳ね上がるらしいが、確かに合わせ出汁は昆布単体とは比較にならない位強烈な旨みがあった。

そしてここから吸い地をつくるのに、塩と醤油であたりを行っていく。人間の血中塩分濃度に近い0.5-0.9%に目標を定めて調整されていく。最後には酒塩を加え、丸仕立てに。千鳥のお椀に移して完成!

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なんでわざわざ蓋してんの??と思ってたけど、蓋を開けると凝縮された良い匂いが立ち上ってきてビビった。なるほど、無駄なことなんて無いんやなぁ・・・

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お椀の中は壬生菜、湯葉、柚子、椎茸という感じで、それぞれ歯ごたえがシャキシャキクニュクニュと面白い。そして言うまでもなく旨い。お吸い物なんてどれだけ良い出汁を取っているかの殴り合いみたいな側面があって、6000円以上もかけて丁寧に取った出汁を用いた吸い物が不味いわけ無い。(あたりの際の調味料は奄美大島の塩とか龍野乃刻で、これまた外れの無い調味料)

塩梅という言葉は、梅干を漬ける際に塩加減が重要で、もし加減がうまくいかないと梅干が腐って一家が食いっぱぐれる所からきているらしい。まさしく、料亭の料理人による絶妙な塩梅で味付けされた吸い物は最高だった。

そして次のテーブルは清和荘さん

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やっぱり懐石料理はマジで高いお店ばっかりだ。こちらの出汁は利尻昆布を使用。一番の特徴としては鰹の味がガツンと出ていて、水における昆布の割合は2.5%、鰹節は2.7%と、かなり鰹に比重を置いた味付けにしているとの事。吸い地も頂いたが、さっきのテーブルとは味わいが全くの別物で、料理人の個性、顔が見えるようで面白かった。

次は山ばな平八茶屋さん。

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そういえばこちらのお店は以前、大原までサイクリングをしたときに見かけた気がする。喉が渇いたから茶屋を探したんだけど、ここだけ価格がめちゃんこ高かった。料亭だし当たり前だ。こちらの出汁も利尻昆布で、特徴的だったのか非常に薄味だったこと。吸い地も薄味で、昆布ってこんな細かい味わいがあるのかと味音痴の自分でもわかる位、器用に料理されていた。

最後のテーブルは学校法人大和学園だった。

www.taiwa.ac.jp

料理学校の講師の方?が来てて、ここも確か利尻昆布を使用して出汁をとっていた。ただ、特徴はあまり無くて、非常にスタンダードというか、お手本になるような一番だしの味だった。しいて言うなら天喜さんの出汁にちょっと近かった気もする。

結論

ホントに参加して良かった。なんか僕のテーブルの人たちはあんまり質問しなかったので、無限に色々と質問する機会が得られてためになった。役立ちそうだと思ったのは、

  • 一番出汁が余ったら、料亭では二番出汁に混ぜて味を強めたり、お米を炊くのに使う。最も有効に活用できるのは、一番だしを使ってお茶漬けを作ること。これが超ウマイらしい。
  • 家庭では鰹だしを利かせすぎると保存が難しくなるので、重量的には鰹節と昆布をそれぞれ水の1.5%ずつにするとうまくいくらしい

というあたり。いや~、面白かった。

 

ちなみにこのイベントの後に、大学近くのにぼ次郎に行ったんだけど、舌がびっくりしてアナフィラキシーショック引き起こした。許さん。

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