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レビュー:ファイナル・デッドサーキット

最近では、無限に有り余る時間を用いてコンテンツを消費しまくっている。

まぁ社会に出るまでの執行猶予期間みたいなもので、影みたいにひっそりと付きまとうプレッシャーは晴れない。

 

*暢気にカウチポテトとはいかない。野獣の眼光。

 

そういう鬱陶しい気持ちをサッと晴らしてくれた愛すべきバカ映画があって、今回はそれをレビューしようかなと思います。

タイトルは『ファイナル・デッドサーキット』(英題:The Final Destination)

 

ファイナルデスティネーションシリーズとは?

実はこの映画はシリーズモノの第四弾なんです。まぁシリーズと言っても各映画に繋がりは無く、コンセプトが統一されているだけなので、この作品からでも十分楽しめます。(むしろ作品の立ち位置、何を求められているのかを十分に把握している今作は、個人的に歴代最高作品だと思っています。)

 

さて、どういうシリーズかを説明するのに、第一作目のあらすじを引用すると、

パリ修学旅行に向かう高校生のアレックス・ブラウニングは、飛行機が大爆発するリアルな夢を見て騒ぎを起こし、離陸前に飛行機を降ろされてしまう。

巻き添えをくった友人や教師らを残して離陸した飛行機はアレックスの夢のとおり空中で爆発、運良く生き残ったかに思われた彼らにも再び死の恐怖が。

友人達が次々と死に見舞われる中、その法則性に気づいたアレックスたちは運命に逆らおうとする。

 引用:ファイナル・デスティネーション - Wikipedia

 

 要は、

  • 大事故を予知して主人公たちは行動を変更
  • 死神は死ぬ運命を変えようとはせず、生き残った人々を順に殺していく
  • その死には法則性があり、法則を乱すと死神は諦める(と仮説を立てて主人公たちは予知能力を駆使して行動)

という感じのフォーマットを何度も繰り返してるような映画なんです。

シリーズ1作目では、飛行機の座席の順番で人々が殺されていく事になりましたが、今作では予知夢において死んだ順番に人々が殺されていきます。

 

一見するとホラー映画(実際のジャンル分けでもそう)ですが、この映画の本質はコメディーです。ピタゴラスイッチ的に用意されたステージギミックで、どのタイミングで誰がどのように死ぬのか、「いや~これ死亡フラグやろ」「まーたガソリンか」「あ、そっちで死んじゃう!?」みたな感じで友だちとゲラゲラ笑いながら観る映画です。

 

以下、ネタバレを含みますが本編です。

 

ファイナル・デッドサーキット

今作の舞台はサーキットです。主人公のニック(下の画像で右端)は彼女のローリや友だちと4人でサーキットに来ているところ、大事故に遭遇します。

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あと、これはシリーズ恒例なんですが、誰かが死ぬ予兆を示すシーンが毎度挿入されます。(露骨すぎて草生えるポイントでもある)

不気味な風が通り過ぎて、

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 不吉な文言が目に入ったり。

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一方、サーキットに目を移すと、何やらピットインでねじ回しを挿しっぱなしにして走ってしまった車があるみたいで

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その結果がこう。

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サーキット場、崩壊。ピタゴラ要素が重なりに重なって、ぽこぽこ人が死んでいきます。ステージを広く使った迫力あるピタゴラスイッチが見れ、また本作は3D映画でもあったために、執拗に画面正面に飛び出すような死に方が多くて、そのくどさもgood。

あと、ファイナルデスティネーションシリーズでは序盤の大迫力死亡シーンが物語の死亡順に関わってくるので、初見の場合は注意して見ましょう。(ものの5分で人が死にまくるので油断すると見逃す)

 

なんだ、夢だったのか… とホッとする主人公、不気味さを感じてサーキットを飛び出した一行は命拾いをする事に。

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しかし、主人公含め、命拾いをした人々には、予定がズレて怒り狂う死神によって、残酷な死がもたらされていく事になる。(ちなみに、このシリーズでは稀に最後まで生き残る人間もいるので最後まで予想しながら見ると楽しい。)

 

 さて、ピタゴラ死のサンプルとして今作で面白かったシーンを挙げてみようと思います。サーキットにいた子連れのオバさんが床屋に行くシーンです。

予知夢が見れるようになった主人公

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しかしながらイメージは下の画像みたいに断片的なモノにしか過ぎず

プロペラ

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はさみ

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水の滴り

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目に何か飛んでくる?切れる?

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ここで予知夢は終わり、床屋のシーンになる。

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サーキットにいたオバさんはガキんちょ2人を連れて床屋に。車から降りたガキ共は芝刈りをしてるオッサンに悪ふざけで投石。

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 大活躍ガソリン君、今回も登板っぽい。

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ガキんちょの投げた石は外れて地面に。

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母親は子供を叱り付け、髪を切ってる間はゲーセンにでも行ってろ、とお金を渡して厄介払い。で、早速髪の毛を切ってもらうことに。

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 椅子の高さ調整。

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 しかし、いきなり下に落ちる椅子。どうやらうまく固定できないらしい。再び椅子の高さ調整。ひょっとしてこれが原因ではさみを滑らせるとか?

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 足のつめをきれいにして貰う。何でここ画面をパンにしてるんだろう?死亡に関係?

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 いきなり画面が引きに。オバさんの真上にはプロペラ。あっ・・・

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ここでのどが渇いたオバさんは水をオーダー。

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掃除していた店員はモップを置いて水を取りに行く。

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モップが当たり、

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 ジェルが床に飛ぶ。これで誰か滑るのか?

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 コップを持ってきた店員。

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滴るコップ。テーブルには微妙な傾斜があり、水滴で滑る。

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手前のスプレー缶を押し出すが、これがストパーの機械に当たって膨らんでいく。爆発で死ぬんかな???ヤバそう。

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 はさみを使うシーン。そろそろか…?プロペラとはさみ、どっちで死ぬんだろう??

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 目の前にはさみ。ゴクリ…

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ガタンッ!!

急に調整が効かなくなり落ちる椅子。目を切りかけたものの、大丈夫なオバさん。

じゃあやっぱりプロペラルートか!

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 ゲーセン帰りで床屋に駆け込んでくるクソガキ。

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 案の定スリップ(予定調和)

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 ガキんちょに気をとられていると、

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 熱したスプレー缶がミサイルみたいに飛んで、プロペラの根元に直撃!

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バンッ!!

プロペラが間近に落ちるが、オバさんは生存。これひょっとして生存ルートか?

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 会計を済まして帰ろうとするが、ダダをこねるガキんちょ。

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入り口で説教するオバさんの後ろには芝生が。

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 芝刈り機がクソガキの投げた石を巻き込み…

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 シュバンッ!!!

オバさんの顔面に直撃!!!!!そっちか~~~~!!!!!この時間差攻撃は予想できなかった。

(微グロなのでモザイクかけてます) 

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阿鼻叫喚の店内とは対照的に、まったく気づいていないオッサン
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とまぁ、こういう映画です。
 
はっきり言って、ホラー映画としての完成度は3作品目である『ファイナル・デッドコースター』の方が上でした。カメラの動きから画面に溢れる不気味さ、そういった演出を見ていくと軍配は3作品目のほうに上がります。
ファイナル・デッドコースター 通常版 [DVD]

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がしかし、 ファイナルデスティネーションシリーズに求められているのは、そんな小手先の演出や重厚なストーリーではないのです。 この作品を見る人間は、いつも通りのお約束、次はどんなクレイジーな死に方をするのか、という期待を持ちながら、口汚く突っ込みを入れて、ジャンクでシュールな笑いを堪能しているのです。3作品目とはうってかわってハリウッド感の強い今作は、そんなニーズを的確に掴んでいる気がします。
 
くどくてわざとらしい演出が多いのも、この映画を観るのが人工甘味料の甘みみたいな笑いを求めている人間なのだと踏まえて作られているのであって、だからこそ最高なんです。
 
イライラして気持ちが晴れないときにでも是非観賞してみてください。
人の脳髄が吹き飛ぶのをゲラゲラ笑いながら観てるとサイコパス認定されそうですけど、きっと観終わった後は晴れやかな気持ちで、犯罪係数も下がってるんじゃないですかね?(適当) 
 

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