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レビュー:夜明けの図書館・地雷震・ピースオブケイク

最近よく漫画ミュージアムに通っているので、そこで読んだ漫画を色々紹介します。

あんまり長々とレビューする必要のない漫画たちはサラッと飛ばしていきます。

まず『夜明けの図書館』

 

 新人司書の話をつらつらと書いてる。1話完結型ヒューマンドラマでそれなりに読める内容。でも新人司書の空回り的な展開、クッソ飽きるから勘弁してくれ。巻数追うごとにそういうエピソードも感慨深いものになるんかな?

お仕事紹介的な面もかなり強くて時間が無駄になる感じはあんまりなかった。

 

どうでもいいけど、話の中で大野さんという市役所勤めの方も図書館に居てて、司書の資格が無くてもそういう形で働くこと出来るんか~ってなった。(そして案の定司書資格の無い大野さんと主人公は初め対立する。)

 

あと、図書館司書って電子化の波にどうやって立ち向かっていくんだろう?若干本編でも触れられていて、そして、それぞれのエピソードがある意味アンサー(こういう事案は人間じゃねーと対処出来ないですよ的な)なんだろうけど。(政治的?)啓蒙的な意味合いが強すぎて、物語よりも主人公たちの今後の身の上が気になった。下世話な人間だ…

 

はい次ィ、地雷震

 

 

これはね、ホント面白いです。

何が面白いかっていうと、メキメキ上達していく作者の画力。

 

これが序盤のページで

地雷震

 

それがこういう見開きを描けるようになるんだから凄い。

 

 

そしてそれ以上に、ハードボイルドで重厚なストーリー。主人公である刑事の飯田の、徹底した無関心と冷徹さがかっこよすぎる。時に自分の命すらも軽視し、自分を慕う人間を道具の様に扱う。扱っている事件も、サブリミナル広告やカルト集団とか、幅広くてどれも興味深い。

 

 一番好きなエピソードは、4巻かそこらでドイツのハンブルグに行く話。Der Kalt(氷の目)と呼ばれる、コカインをさばいてるオッドアイのドイツ人を殺すため(法の範疇外なので完全に私刑)、レーパーバーン*1のBARに潜入。飲み屋のチンピラと仲を深め、そいつの紹介で娼婦や情報屋とも繋がりが出来るものの、飯田達の存在はDer Kaltに見抜かれる。

そして、これから敵のアジトに乗り込むときに、1500マルクを渡して「これで長旅でもするんだな」とチンピラに言い渡す飯田。チンピラは激昂し家を飛び出すが、勿論この金は飯田が彼を逃がすために渡したものだ。チンピラも勿論その意味はわかっていた。互いに背を向けても腹の中では分かり合ってる。

しかし手遅れだったか、チンピラはDer Kaltの手下に捕まり泥酔させられ線路に放置、後に轢かれて死亡。娼婦も強姦された挙句射殺。

 

Du bist kein Wunschkind(あなたは望まれた子でない)と母から言われたKlatと母の命を奪って生まれ落ちた飯田。対峙した2人、軍配は飯田に挙がった。Kaltを殺した後に、飯田は情報屋から二度とドイツの地を踏むなと言い渡される。一方で、Kaltの恋人は彼の子を身ごもり、「私はあなたを望んでいる」と一言。

 

元の木阿弥。一人ぼっちに戻った飯田と、ついには母に望まれた子を持ったKalt、なんとも皮肉なエンドでクッソ良かった。

 

 まぁこんな感じであんまり救いは無い。でも、だからこそ最高にハードボイルドだ。

これ読むのがツラいなら『コブラ』でも読むしか無いんじゃない?まだ救いあるし。

 

 

ちらっとWikipediaみたけど、富樫の愛読書でもあったのか。すげーしっくりきた。

幽☆遊☆白書』連載当時の冨樫義博の愛読書であったらしく、『幽☆遊☆白書ジャンプコミックス版のおまけページに収録されたクロスワードパズルの回答がこの『地雷震』であった。

引用:地雷震 - Wikipedia

 

 

で、最後にピースオブケイク

 

 

初めに言っておくと、僕はこの漫画嫌いです。

嫌いというか、理解できないというか、別の生物の話に見えた。登場人物の行動原理に1ミリも共感できない。映画化するって話だし、どれどれ~って感じで読んだけど、ナニコレ…シネ…

 

あらすじ

主人公の梅宮志乃(24歳)は、高圧的な性格の恋人、正樹と性格の不一致などの問題を抱えながらも、流されるまま交際を続けていた。自他共に認める自分本位の性格の正樹は、志乃の服装や振る舞いに不満が多いながらも志乃のことが好きでたまらないと言う。そんな正樹の気持ちが理解しがたい志乃は、言い寄られるまま他のバイト仲間の男性とも交際するうち、正樹との関係は泥沼化していた。

志乃の浮気発覚後、高圧的な態度に転じつつも志乃を諦められないと言う正樹に詫びる気持ちもあり、正樹の命令に従うまま続けていたバイトだったが、ある事件をきっかけに自分の置かれている状況にうんざりした志乃は無断でバイトを辞めてしまう。その夜、意外にも正樹からも別れを切り出され、志乃は納得するもののある種のショックを受ける。

新しい環境で心機一転、仕切りなおしたい!と願う志乃だが、たまたま電話をかけてきた母親の紹介で叔父の経営する木造アパートへ引っ越すことになる。

恋人と別れ新しい土地での生活が始まり、専門学校時代からの友人の天ちゃん(自称、ノンケのオカマ)がバイトしているビデオ店を紹介してもらい、面接に合格した。そこで、偶然にも志乃の部屋の隣に住む店長(京志郎、通称ヒゲ店、30歳)に片思いをする。京志郎には同棲中の彼女あかりがいるが、ある日彼女は京志郎の前から姿を消し、名前や実家の所在地など、全てにおいて嘘を付いていたことが分かる。

京志郎はさみしさのあまり、志乃の部屋に上がってしまい、そのまま付き合うことに…

引用:Wikipediaピース オブ ケイク - Wikipedia

 

簡単に訳すと、

主人公の志乃は恋人の正樹に振られて傷心。バイトもやめて引っ越す事に。そして引っ越し先の庭先で隣人の京志郎を見初める。実は京志郎は新しいバイト先の店長でもあって、どんどん惹かれていく志乃。しかし、京志郎には同棲中の彼女、あかりが存在して…

って感じ。

 

何かこいつらの世界観が狭すぎて、恋愛がどうの、ちんこをまんこにツッコむのがどうのって。図体だけデカい子供の話みたいでクッソしょうもなかった。お前ら、空っぽすぎひん???

現実社会ってさ、仕事や勉強もあれば趣味の時間もあるし、恋愛なんて片手間じゃねーの?まぁ片手間は言い過ぎだけど、登場人物の多くが持ちうるリソースを全ぶっこみしてて現実感が無さすぎる。ステ振り間違っとんぞ。

そういう違和感がどうも引っかかって、内容自体の評価が出来ない。僕がスイーツ脳(死語)で恋愛体質なら楽しめたのかも。

 

 

…ここまで書いたけど、単純に自分の恋愛経験が浅すぎて理解できてないんかな???作中では、「風がふいた」という文言を用いて、ふたりの一目ぼれシーンを描いているんだけど、僕には、まだ、風はふいてない。やっぱ死ね。

 

 

漫画ミュージアムでは他にも『はいからさんが通る』とか『神童』とか『め組の大吾』とか。色々読めたけどレビューは(気が向けば)また別の機会かな?

 

はいからさんが通る(1)

はいからさんが通る(1)

 

 

  

 

 

 

漫画ミュージアム年間パス最高~~~~!!凸(^^)凸

*1:こういう記事読んだら理解が進む。

sekaishinbun.net